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橋本 周
日本原子力学会誌ATOMO, 61(7), p.525 - 528, 2019/07
管理区域で使用した物品について、法令に基づく管理基準への適合を確認する表面汚染測定の後に一般区域へ搬出することができる。この管理基準は1960年代から事実上同じ数値が使われている。この手順は、規制対象について一定の条件を満足することを確認したうえで管理対象から外す手法として運用されており、クリアランスの考え方にきわめて近いと考えられる。日本保健物理学会放射線防護標準化委員会では、「計画被ばく状況における汚染した物の搬出のためのガイドライン」を2016年に制定し、管理区域からの物の搬出に関する放射線防護上の考え方を整理した。そこでは、現行の物品搬出管理基準については、クリアランス規準の考え方と比較しても、見劣りのしない放射線防護レベルの管理基準であることが示された。
佐藤 志彦
日本原子力学会誌ATOMO, 61(6), p.446 - 448, 2019/06
福島第一原子力発電所事故では大量の放射性物質が環境中に放出したが、チェルノブイリ原子力発電所事故のような炉心が直に大気と触れるような事象は発生しなかったため、核燃料を主とした放射性粒子の放出はないものと考えられていた。しかし2013年以降、放射性セシウム(Cs)を取込んだケイ素が主成分の微粒子が報告され、Cs-bearing particle、不溶性セシウム粒子などの名称で放射性粒子の存在が認知されるようになった。本稿では不溶性セシウム粒子がなぜ不思議な存在であるか、そしてどうして福島第一原子力発電所の廃炉で重要かを紹介した。
中山 梓介; 古立 直也; 岩本 修; 渡辺 幸信*
no journal, ,
ImPACTプロジェクトでは、長寿命核分裂生成物(LLFP)の核変換システムにおける入射ビームとして重陽子が第一候補に挙げられており、LLFP等に対する重陽子核データの高精度化が求められている。そこで、これまでに開発してきた重陽子入射断面積計算コードDEURACSをLLFPに対する重陽子入射破砕反応に適用した。実測値との比較により、重陽子入射破砕反応に対するDEURACSの適用性を検証する。また、他の計算手法との比較を通じて、本反応における分解過程の役割についても議論する。
長岡 亨*; 平野 伸一*; 松本 伯夫*; 天野 由記
no journal, ,
湖沼底泥より集積培養した鉄腐食性微生物群集を用いて、乾燥密度の異なる緩衝材中にて炭素鋼試験片の腐食試験を実施した結果、複数種の微生物が相補的に腐食挙動に関与している可能性が明らかとなった。
静間 俊行; Omer, M.; 羽島 良一; 小泉 光生
no journal, ,
Al-27は核物質の非破壊分析において、散乱強度を求める際の基準として用いるため、励起準位の共鳴幅やスピン・パリティなどの詳細な情報が必要である。そこで、直線偏光をしたレーザーコンプトン線ビームを用いて、Al-27原子核の核共鳴蛍光散乱実験を行った。実験は米国デューク大学で行った。中心エネルギー3.0MeV、半値幅約4%の線ビームを、Al-27ターゲットに照射し、散乱ターゲットからの共鳴散乱線を高純度ゲルマニウム検出器を用いて測定し、入射線の偏光面に対する散乱線の角度分布を測定した。その結果、励起エネルギー3.004MeV準位の共鳴幅が7meV、スピン・パリティが9/2であることがわかった。なお、本研究開発は「核セキュリティ強化等推進事業費補助金」事業の一部である。
藤 暢輔; 前田 亮; 土屋 晴文; 大図 章; 古高 和禎; 北谷 文人; 米田 政夫
no journal, ,
欧州委員会-共同研究センター(EC-JRC)と原子力機構との共同研究により、これまでの非破壊測定技術を適用できない高線量核燃料物質のための非破壊測定技術開発を実施している。本研究開発では、小型中性子源を用いた4つのアクティブ中性子法(ダイアウェイ時間差分析法: DDA、中性子共鳴透過分析法: NRTA、即発線分析法: PGA、遅発線分析法: DGA)を組み合わせ、それぞれの特長を生かすことによって高線量核燃料物質に対応できる非破壊測定法の確立を目指している。平成30年度から開始したフェーズIIでは、上述の4つのアクティブ中性子法の高度化を行うとともに、原子力機構燃料サイクル安全工学研究施設において、3つの分析手法(DDA, PGA, NRTA)を組み合わせた総合非破壊測定装置を開発する予定である。本講演では、プロジェクトの概要と、非破壊測定装置において求められる中性子源、及び分析手法開発や測定データ解析時に必要となる核データに関するニーズについて報告する。本研究開発は、文部科学省「核セキュリティ強化等推進事業費補助金」事業の一部である。
大図 章; 前田 亮; 米田 政夫; 藤 暢輔
no journal, ,
原子力機構では、核不拡散・核セキュリティに資するため使用済み燃料等の高線量核物質測定法の確立を目指しており、その一環としてアクティブ中性子非破壊測定法の一つであるダイアウェイ時間差分析法(DDA法)の技術開発を実施している。DDA法は、中性子を核分裂性物質に照射し、誘発される核分裂反応によって放出される中性子を測定する。照射する中性子の一部は、エピサーマル及び熱中性子となって測定室に滞留して測定器に検出されるためバックグランドレベルを押し上げ、核物質の検出感度を劣化させる。原子力機構が開発したFNDI法では、測定室の内面に中性子吸収シートを取り付けることでバックグラウンドとなる中性子を取り除いている。本講演では、その効果を調査した結果について報告する。
Malins, A.; 越智 康太郎; 中曽根 孝政*; 山田 勉*; 町田 昌彦; 操上 広志; 斎藤 公明; 眞田 幸尚
no journal, ,
本研究では、LaBr(Ce)線検出器を搭載した無人ヘリコプターのシミュレーションを行った。実験室で測定されたスペクトルに対し、シミュレートされたスペクトルを検証した。上空からの放射線測定によって土壌中放射性セシウムの深度分布を推定するために、シミュレーションに基づき散乱線/直接線比法(ピークコンプトン法)の妥当性を確認した。
杉浦 佑樹; 舘 幸男; 陶山 忠宏*; 浜本 貴史*
no journal, ,
わが国には、炭酸濃度の比較的高い地下水環境が存在する。ウラン(U(VI))は炭酸錯体を形成することで収着分配係数(K)が低下するため、その影響を定量的に評価する必要がある。原子力機構が整備を進めている収着データベース(JAEA-SDB)から既存のU(VI)のモンモリロナイトへの収着データを複数抽出し、モデルパラメータの導出と炭酸共存条件における収着モデルの適用性の評価を行った。得られたモデルパラメータは、炭酸濃度を変化させた試験結果を良好に再現することができ、炭酸錯体形成によりKが低下するものの、一部は三元錯体として収着している可能性が示唆された。また、モデルパラメータ導出に用いていないデータセットの再現に成功し、モデル化の方法の妥当性及びモデルにより炭酸共存の影響を予測・評価できる可能性が示された。
湊 太志
no journal, ,
遅発中性子は、原子炉の安定した運転に重要な物理量である。加えて、元素合成や非破壊分析など、他分野でも注目を浴びている。しかし、遅発中性子収率の入射中性子エネルギー依存性の理解は、あまり進んでいない。JENDL核データライブラリにおいても、遅発中性子収率のエネルギー依存性は長く更新されていないため、改めて評価する必要がある。本研究では、遅発中性子収率に、核分裂片の崩壊データと収率データによる総和計算法を採用し、後者のエネルギー依存性は現象論的手法を用いた。本研究では、測定データを基に、Most Probable Chargeと偶奇効果の入射中性子エネルギー依存性のパラメータを決定した。崩壊データとして、IAEAの遅発中性子CRPで新しく決められた半減期と遅発中性子分岐比の評価値を用いて計算を行った。本研究では、ウランとプルトニウムの遅発中性子収率の入射中性子エネルギー依存性について調べ、実験データを忠実に再現することができることが分かった。また、崩壊熱と遅発中性子の時間依存性もよく再現できることが分かった。今後は、この研究で得られた知見を基に、次期JENDL収率データの評価を多角的に実施し、信頼ある評価値を提供できることが期待される。
Liu, X.; 町田 昌彦; 操上 広志; 北村 哲浩
no journal, ,
本研究の目的は、福島第一原子力発電所事故に起因する放射性セシウムの移行予測のためのシミュレーションコード「Soil and Cesium Transport (SACT)」の改良である。本研究において、新たに放射性セシウムの垂直方向の移動と固定が実装され、これらの改良が施されたSACTコードによるシミュレーションは、パラメーターの調整なしに実測データをよく再現することが確認された。
数納 広哉; 町田 昌彦; 土肥 輝美
no journal, ,
原子力発電所事故などにより環境中に放出された放射性セシウムは、森林に降着し、菌類や地衣類, 樹木などの有機物に取込・蓄積されることがわかっている。これまでキノコなどの菌類、および地衣類から高い放射能が検出されている。この放射能蓄積過程では、森林内有機物の構成分子と放射性セシウムとの錯体形成が大きな役割を果たしていると考えられている。そこで、本研究では森林内有機物を構成する典型的な分子を調査し、これらの分子とセシウムの選択的な錯体形成機構について量子化学計算を用いた分子論な解明を行った。コツブダケやニセイロガワリなどのキノコの主要な色素成分であるノルバジオンA、および地衣類の主要な二次代謝物であるウスニン酸やアトラノリンに関して、アルカリ金属カチオンとの錯体分子構造を計算した。また、錯体形成におけるセシウムカチオンの安定性を計算し、選択性を定量的に見積もったのでこれを発表にて報告する。
深津 勇太; 伊藤 剛志*; 舘 幸男; 石田 圭輔*; Martin, A.*
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価において、室内試験によって構築された結晶質岩マトリクス中の核種移行モデルとパラメータの実際の地下環境下での適用性を確認することは重要な課題である。本研究では、スイスグリムゼル試験場での原位置長期拡散(Long-Term Diffusion: LTD)試験において、注入孔のトレーサー減衰データ、観測孔の破過データ及び岩石中の濃度プロファイルを取得するとともに、原位置試験と同じ岩石を用いた室内拡散試験データから、トレーサー試験孔の掘削時に生じる岩盤へのダメージ領域(Borehole Damaged Zone: BDZ)の影響や間隙率の差異を補正して原位置パラメータを推定する手法を適用した原位置試験結果の解析を行い、その適用性を評価した。
四辻 健治*; 舘 幸男; 河村 雄行*
no journal, ,
放射性核種の移行経路の一つと考えられる粘土鉱物層間の間隙水の粘性係数を、分子動力学法を用いて評価した。モンモリロナイトの層間間隙を対象に、対イオンと水分子の拡散挙動に対する層電荷及び対イオン種の影響を評価するとともに、水分子の拡散係数から層間領域における粘性係数を評価した。
天本 一平; 大山 孝一; 深山 大元*; 長野 祐一*; Hack, K.*; Jantzen, T.*
no journal, ,
HLWのガラス固化研究を進めていくうえで必要とされる固化媒体やFPについてCALPHAD法を用いた熱力学的諸量の取得を行っている。今回は、ホウケイ酸塩ガラス(BSG)中のルテニウム(Ru), ロジウム(Rh), パラジウム(Pd)及びリチウム(Li)の挙動を解明するためのRu-Rh-Pd-SiO-BO-NaO-LiO系の熱力学データベースを構築することができた。同データを利用して様々な条件におけるRu, Rh, Pd及び/またはLiOを含有するBSGの状態図作成や充填量の推算が可能となった。
山野 秀将; 西田 明美; 崔 炳賢; 高田 毅士*
no journal, ,
地震応答解析で評価された建屋の応答波形を用いて、原子炉容器および配管の応答について検討し、これらのフラジリティ評価を行った。また、クリフエッジ回避技術としての建屋の免震化による原子炉容器・配管の応答低減効果の定量的評価も実施した。
岩月 輝希; 村上 裕晃; 渡辺 勇輔; 福田 健二
no journal, ,
セメント材料と地下水の相互作用プロセスを定量的に評価することを目的として、瑞浪超深地層研究所において坑道閉鎖模擬試験を行い、吹付けコンクリートの変質過程や変質量の考察を行った。その結果、1年間に坑道壁面から約0.5mm分の吹付けコンクリートが変質しポルトランダイトが溶脱したと仮定することで、地下水のアルカリ化を説明可能であることが分かった。
江村 優軌; 磯崎 三喜男; 松場 賢一; 神山 健司
no journal, ,
ナトリウム冷却高速炉の炉心崩壊事故では、原子炉容器下部において溶融炉心物質とナトリウムの混合が生じる。本研究では、溶融ステンレス鋼をナトリウム中に落下させ、エックス線を用いた可視化によりその挙動を観察した。
吉村 和也; 三枝 純
no journal, ,
本研究では、文部科学省が2011年3月23日以降に実施した空間線量率のモニタリング結果につき、事故から2年後までの期間について減少速度の解析を行った。空間線量率の減少は、速く減少する成分と遅く減少する成分とに分けられる、二重指数関数で表された。減少速度は、いずれの成分も物理減衰より大きかった。また減少速度は土地利用により左右され、舗装面や建造物が支配的な環境でより早く減少することが示唆された。
朝日 良光; 嶋村 圭介; 小林 秀和; 小高 亮; 守川 洋
no journal, ,
TVF次期溶融炉(3号炉)の基本構造である円錐45度炉底形状に適合するように、溶融炉の底部に設置しているストレーナ(流下ノズル閉塞防止のための部位)の形状に係る各パラメータ(角部の曲率等)を選定した。選定にあたっては、2号炉及び3号炉の炉底形状を模擬した実規模アクリル模型と溶融ガラスを模擬したシリコーンオイルを用いた流下試験を行うとともに、炉底付近に滞留する比較的高い粘性を持つ流体の流下時における流動場についてCFD解析を行うことにより、ストレーナの形状がガラス流動の特徴や抜出し率へ与える影響を評価した。